ARTISTS
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小山泰介
Taisuke Koyama
Pico
2015
 
ここで展示されている人工的な虹色のプリント群は、デジタル環境における最小限の色要素を拡大して写真で表現しています。「ピコ」はイタリア語で「小さい」という意味ですが、ここではインクジェットプリンターで用いられるインク液滴の単位を指しています。
 
小山の作品は、視覚と技術の相互作用についての根本的な疑問を提起しているにもかかわらず、表現方法においては意外にシンプルです。自然光がなくても、イメージを作ることは可能ですか? 私たちの色や表現の感覚はどんな風に変わりましたか? そして、自然に近づくために使っているテクノロジーは、私たちが見ているものをはっきりさせてくれますか?
 
個々のカラープリントは、それぞれが同じ色調のブロックのように見えるかもしれません。しかし、わずかに感じられる色味と色味の微妙な変化に細心の注意を払ってみてください。ピクセルとピコ——デジタル画像の基本的なコンポーネントを特大の倍率に拡大すること自体が、ここでの撮影の瞬間なのです。小山はこれまでの型にはまった方法ではカメラを使いませんが、もうひとつの知覚できない現実を写した写真として、これらのプリントは機能していると言えないでしょうか。
小山泰介
1978年生まれ。東京在住。写真家として活動する前は、生物学と自然環境について学んでいました。その批評的なアプローチは、ポストデジタル時代のイメージ作成の可能性を探る写真としての彼の作品を知らしめています。小山はまた数々の賞にノミネートされ、国際的に活躍しています。