ARTISTS
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石橋英之
Hideyuki Ishibashi
Passages Obscurs
2015-

フランス北部にあるリールを拠点に活動する石橋英之は、自分でカメラを構えて撮影することはありません。本作はマルセイユの美術館「MuCEM」の協力の下、市民から美術館に寄付された古いポストカードを元に作られています。
 
3日間のマルセイユ滞在中、石橋は膨大な数のポストカードのアーカイヴから、特にその土地と第一次・第二次世界大戦にまつわるポストカードに絞って選び、毎日500枚程度を複写撮影し、作品の素材としました。アイディアノートのような自身のドローイングスケッチを元に、1作品あたり100枚以上のイメージをコンピュータ上でモンタージュすることで、想像と現実の世界を行き来するような世界を作り出しています。イメージを見て作り上げたイマジネーションの中の世界と、実際のポストカードが語る現実との違いを探りながら、自身で写真を撮らずして、既存のイメージからどこにもない、もしくはあったかもしれない風景を作り出しているのです。
石橋英之
1986年兵庫県生まれ。2009年、日本大学芸術学部写真学科卒業後、2011年よりフランス北部、リールを拠点に活動しています。2015年に写真集『Présage』を刊行し、翌年「Présage / Connotations」をIMA galleryで開催。海外での活躍も目覚ましく、2016年よりフランス国立現代芸術スタジオLe Fresnoyに在学中です。