ARTISTS
02
うつゆみこ
Yumiko Utsu
家族
Family

2018
 
日本の地方の観光地に、よく置いてあるこのパネルをご存知ですよね。浅間国際フォトフェスティバルでは来場者の皆様のために、ユーモアとちょっとした毒を盛り込んだうつゆみこの作品を、顔はめパネルにしました。主に野菜や魚介類などの食材や虫といった素材に、既存の印刷物やおもちゃなどをミックスしながら、見たこともない新しいキャラクターを生み出すユニークなアプローチで知られるうつですが、今回はその中から「ファミリー」をテーマにしたトマトとイカを用いた既存作品をピックアップし、さらに御代田町の名産物であるレタスをモチーフに新作も制作。キッチュで、シュールで、ナンセンス。こうした表現は、日本人の得意とするところでもあります。
 
ドイツの建築家ブルーノ・タウトは、日本に滞在していた1936年に著書『いかもの と いんちき』で「いかものに相当するドイツ語はキッチュ'kitsch`であり、この日本語とまったく同じ意味内容を持っている。即ち芸術たることを欲しながらついに芸術になりえないような『芸術』を意味する」と記しています。この「いかもの」とは、「いかがなもの」という意味だそうですが、ちょっと怪しげなうつの世界にはこの言葉が妙にふさわしく思えます。
うつゆみこ
1978年、東京都生まれ。2001年に早稲田大学第一文学部を中退し、翌年、東京写真学園写真の学校を修了。これまでに『はこぶねのそと』『うつつのゆめ』などの写真集も刊行しています。