ARTISTS
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伊丹豪
Go Itami
photocopy
2017
 
すべてどこにでもある日常の断片や何気ない風景ばかりですが、写真になった途端に全く新しい世界を見せてくれる、伊丹豪のイメージの世界。視覚的なインパクトの強さの裏側に、写真とは日常を ただ“複写する”程度のものにすぎないという軽やかさをあわせ持っています。「photocopy」つまり「写真の複写」というタイトルがつけられたこの作品は、私たちが普段いかに無意識に目の前の風景を受け入れ、見過ごしているかを教えてくれます。一方で、私たちのまなざし、ものの見方こそが、最も“写真的な行為”であることにも気づかされるでしょう。
 
伊丹にとって、写真集は作品コンセプトを最も凝縮したアートワークです。写真集『photocopy』では、これまでの常識をくつがえすかのように、一冊ずつ写真のページが異なる写真集を作り出しました。ストーリー性や作家の意図をなるべく排除したいというこだわりからは、写真を「見る」ことへの徹底した姿勢の現れともいえるでしょう。
伊丹豪
1976年徳島県生まれ。第27回キヤノン写真新世紀佳作受賞。海外からの注目も高く、展示にも多数参加。また雑誌や広告などでも活躍するほか、ブランドとのコミッションワークも多数手がけています。『study』『this year's model』『photocopy』など、意欲的な写真集を発表し続けています。