ARTISTS
25
鷹野隆大
Ryudai Takano
Green Room Project / Red Room Project / Distance / 18.06.25.#2 (Red Room Project Series)
2018

鷹野隆大のインスタレーション作品は半分ずつに区切られ、「赤い部屋」と「緑の部屋」の2つの部屋から構成されています。赤い部屋に展示されているのは、カメラを使わずに制作された2人の人間の姿を写した大きな写真。鷹野自身ともう一人が大きな感光紙と光源の間に立って、一定時間感光させると、彼らのシルエットだけが残るという仕掛けで制作した作品です。というのも、彼らの体が感光紙の前で光を遮るからです。こんな風にカメラを使用しないで撮影する写真はフォトグラムと呼ばれ、写真創成期に戻って、図像を制作する方法として活用されました。
 
一方の緑の部屋の中は、光を蓄積する蓄光シートで壁が覆われています。参加者が暗い部屋に入り、蓄光シートの前に立つと、強烈な閃光が放たれます。赤い部屋のフォトグラムと同様に、光が当たった部分は光り、参加者が光を遮った部分は人の形をした影として残ります。しかし、緑の部屋のシルエットは「定着」することはなく、この影たちは次第に消えていき、やがて部屋は再び暗闇に戻ります。
鷹野隆大
1963年福井市生まれ。2006年に『IN MY ROOM』で木村伊兵衛写真賞受賞。セクシュアリティや近代、都市などをテーマに作品を制作し、1998年からは毎日欠かさず撮影を行なう作品シリーズ「毎日写真」を継続しています。主な個展に「光の欠落が地面に届くとき 距離が奪われ距離が生まれる」(Yumiko Chiba Associates、東京、2016年)、今年開催した「欲望の部屋」(AYUMI GALLERY CAVE、東京)など。