ARTISTS
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横田大輔
Daisuke Yokota
Untitled
2016

防犯カメラは、あらゆる都市の中心部において、どこにでも存在するものとなりました。凶悪なスパイが危険な行動を取らないよう日常生活を絶えず監視することは、現代社会の基準になりつつあり、そこでは、個人のプライバシーの基本が侵害されている疑いが高まっているのです。
 
この作品のために、写真家は自分のスタジオに複数の防犯カメラを設置し、ある展覧会へ向けた作品の制作プロセスを録画しました。5本の異なるビデオが、異なる長さにループで繰り返し再生されます。結果、横田の制作プロセスは直線的に進行するものではないことが明らかになりました。行動は繰り返されますが、原因と結果は関連性をした意味を持たず、代わりに残されるのは、そこにはもう存在しない写真家の監視という行為だけです。横田は普段、露光、スキャニング、現像、再露光、再スキャニング、再現像といった複数のプロセスの結果としてできあがる写真作品を制作しています。閉回路テレビ(監視カメラ)で自分自身を監視することで、こうしたプロセスが明らかになるのです。
横田大輔
1983年埼玉県生まれ。2010年「第2回写真1_WALL展」グランプリ受賞。2016年にはPaul Huf Awardを受賞し、2017年にはアムステルダムのFoam Museumにて個展「Matter」を開催するなど、国際的にも注目されています。主な写真集に『VERTIGO』『垂乳根』などがあります。