ARTISTS
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シャーロット・デュマ
Charlotte Dumas
Work Horse, 2015
Nanae, 2016

シャーロット・デュマの写真の主なモチーフは馬です。動物だけに向けられ続けた彼女のまなざしは、ゆっくりと落ち着いていて、そこには写真家が同じ時間に存在し、同じ場所で、同じ空気を吸っていたことを実感させてくれます。空間を共有することこそが、彼女の写真に潜んでいる力です。その力によって、観客である私たちに、本質的に私たち自身も動物なのだということを思い起こさせます。彼女の映像作品では、カメラを長回しながら、動物はゆったりとした姿勢のままじっとしていることが多いのですが、馬たちは黙想しているようで、睡眠と覚醒の間を浮遊しているように見えます。
 
デュマの作品を見ていて気が付くのは、私たちが自然と動物を擬人化して見てしまう、ということ。そして、私たちが動物たちをどうとらえるかは、私たち自身の人間性のバロメーターになっているのです。写真とは、本質的に関係性について思考することであって、優れた写真であれば、観客である私たちに自分自身と対象との関係を理解することへと導いてくれるのです。
シャーロット・デュマ
1977年オランダ生まれ。キャリアを通じて現代社会における人間と動物の関係性をテーマに扱い、さまざまなシチュエーションの動物を被写体としたポートレイト作品を発表。欧米を中心に各地で個展開催やグループ展に参加し、現在アムステルダムを拠点に活動しています。