ARTISTS
30
森山大道
Daido Moriyama
北海道
Hokkaido

1978
 
森山大道は1963年にデビュー。雑誌『プロヴォーグ』に参加し、『にっぽん劇場』シリーズで注目を集めた森山は、“アレ、ブレ、ボケ”と呼ばれる粒子が荒くコントラストの強いモノクロ写真が一躍脚光を浴び、当時の日本の写真界に衝撃を与え、今日までその人気は国内外に及んでいます。とりわけ、1972年の『写真よさようなら』は、日本の写真史に足跡を残した名作として、今も燦然と輝いています。

その後、長いスランプに陥った森山が、どん底の日々からの再起を果たすきっかけとなったのが、78年夏に3カ月ほど滞在した札幌でのこと。しかし、撮影された写真は、そのほとんどが未発表で、フィルム現像されたままでお蔵入りしていました。それから約30年。長い時を経て再び日の目を見たネガから新たな視点でプリントされた2000点あまりの写真の中から、176点に及ぶカットを編集し、スライドショーの形でまとめられたのが、この映像作品「北海道」です。そこにあるのは、写真家の心象風景を映し出したかのような荒涼とした北海道の景色。しかし同時に、そこに暮らす人々への温かみに満ちた視線からは、再生への希望の兆しのようなものが感じられます。
森山大道
1938年大阪生まれ。グラフィクデザイナーとして勤めた後、細江英公らのアシスタントを経て、63年フリーのカメラマンに。これまでニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリのカルティエ現代美術財団、ロンドン・テートモダンなどで展覧会を開催するなど、世界的にも高く評価されています。