ARTISTS
06
水谷吉法
Yoshinori Mizutani
HDR_nature
2016-2018
 
「HDR_nature」は、水谷吉法がカメラの最新テクノロジーを使って、これまでにない自然写真に挑戦した作品です。水谷は豊かな自然に囲まれて育った背景から、これまで現在拠点とする東京で出会った「都会の中の自然」をテーマに制作してきました。70年代にスリランカからペットとして輸入されたインコが、東京で野生化し大量発生した姿を追った「Tokyo Parrots」が代表作として挙げられます。日常生活の中に潜む美しさ、興味深い色や形に目を向け、それらをグラフィカルなイメージとして切り取るのも、水谷作品の特徴のひとつです。
 
水谷の新境地ともいえる「HDR_nature」は、タイトルにもあるように「HDR(ハイダイナミックレンジ合成)」というカメラに搭載された機能を用いています。露出の異なる複数の写真を撮影し、その中から良い部分を抽出して合成することで、肉眼で見るのに近い一枚に仕上げるシステムです。水谷はこの機能を利用し、わざとカメラを動かして撮影し、カメラがブレた複数のイメージを自動的に組み合わせ、見たことのないイメージを生成しています。デジタル技術を独自の手法で採用したこのシリーズは、常にテクノロジーの進歩とともに歩んできた写真表現に、また新しいページを加えました。
水谷吉法
1987年、福井県生まれ。日本大学経済学部卒業後に、東京綜合写真専門学校で写真を学びました。これまでに東京、パリ、ミラノ、チューリッヒ、アントワープ、北京など世界各地で個展を開催しています。代表作は他に「COLORS」「YUSURIKA」などがあります。