ARTISTS
08
藤原聡志
Satoshi Fujiwara
SCANNING #1
2017
 
「これも写真?」と驚くのも当然でしょう。現代における写真家は、さまざまな形での表現を模索しています。藤原聡志はその典型的な作家の一人として、自由な形態で写真の可能性を広げてきました。ターポリンと呼ばれる素材に出力された、5×25メートルの大型プリントは、一見、無造作にぐちゃっと飾られています。しかし、写真にデジタルデバイスや紙の上では表しきれない動きを盛り込み、空間を最大限に生かした身体的な展示をすることこそが、「写真表現を平面に限定せず、自由にとらえてみる」という作家の挑戦なのです。
 
実はこの作品は、東京の21_21 DESIGN SITEで展示されたものと同じですが、ここでは異なる展示方法で別の作品のような表情を見せています。被写体は、ベルリンの街角で出会ったスマートフォンを操作する一人の見知らぬ男性。藤原は過去にも、写真をひとつの素材として実験的な制作を続けてきました。他分野との親和性が高い写真を、実験的かつ社会性の高い作品に昇華し、変幻自在なアウトプットでさまざまなメディアや空間に介入させていこうと試みています。
藤原聡志
1984年兵庫県生まれ。2007年大阪芸術大学芸術学部卒業。都内のデザイン事務所に勤務した後、2012年に拠点をベルリンに移し独学で写真を始めます。2014年、JAPAN PHOTO AWARD受賞。2017年には、個展「EU」をプラダ財団のOsservatorio(ミラノ)で開催しました。