コミュニティをテーマに撮影を続けているスペイン人写真家、アレハンドラ・カルレス=トルラ。過去にはブラウン大学の女性ラグビーチーム、予備士官訓練所、モーターサイクルギャングといった集団のドキュメントしてきた。
本作は“Jane Austen Pineapple Appreciation Society”という団体に焦点が当てられている。この団体は、『高慢と偏見』『エマ』などの小説を通じて、18~19世紀のイングランドにおける田舎の中流社会を描いたイギリスの小説家、ジェーン・オースティンの熱烈な信奉者たちの集まりである。カルレス=トルラは、イギリスでこの団体に遭遇し、その後2年間をかけて追い続けた。彼女たちは集まってパーティー、ピクニック、舞踏会など、オースティン関連のイベントに繰り出す。オースティン自身と彼女の物語に登場する多くの女性たちが示す強さ、自立心、自信、主体性に感化されながらも、心地よい連帯感とノスタルジアを心から楽しんでいる。カルレス=トルラ自身がこの集団の一員であると思わせるほど近い写真家と被写体の距離を通して、リアリティとフィクションの境界にあるものを追求している。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |